今回は“動く役物”の原点ともいえる名作【ボクシング（1981年／三共）】をピックアップ！
まさにタイトル通りのテーマ性を生かし、“打ち合い”のスリルと“V入賞”の興奮を融合させた、アナログ時代の傑作羽根モノです。
羽根モノ黎明期の中でも、本機の魅力はズバリボクサー役物の動き。
中央に配置されたボクサーフィギュアが左右にスイングし、玉がその間をうまくすり抜ければ役物奥へ。そこからさらにVゾーンを目指すという、物理挙動による演出が、当時のプレイヤーの心を鷲掴みにしました。
決して“当たりやすい”わけではない。けれど、“入った時の快感”は計り知れない――それこそが、アナログ機の真骨頂。まるで本物の試合を観ているかのような緊張感と興奮を、パチンコホールで味わえる一台でした。
そして、1981年といえば――
松田聖子が『青い珊瑚礁』で一躍トップアイドルに駆け上がり、寺尾聰の『ルビーの指環』がミリオンヒットを記録。オフコースの『さよなら』や桑江知子の『私のハートはストップモーション』など、静かに心に残る名曲が多く生まれた年でもあります。
テレビでは、山口百恵が引退後に“伝説”として語られる中、ドラマ『北の国から』が放送開始。倉本聰が描く人間ドラマに、多くの視聴者が涙し、リアルな日常に寄り添う作品が求められる時代でした。
そんな“人の心が動く”時代に登場したボクシングもまた、打ち手の感情に直接訴えかけるアナログの名機。
出玉だけじゃない、「心が震えたあの一発」が、今もファンの記憶に深く刻まれています。
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